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  • 執筆者の写真七色錦華

コンサルの仕事とは?ナンバーワンのコンサルタントに聞いてみた

五十褄剛史(株式会社iOffice代表)

コンサルティング大手の船井総研でコンサルタントとして11年連続ナンバーワンの成績を挙げた五十褄剛史さん。船井総研で取締役を務めたのち独立し、現在は株式会社iOffice代表。スタートアップ企業を支援しつつ、複数社の社外取締役を務めている五十褄さんに仕事に取り組む考え方を聞いた。


−船井総研でナンバーワンになれた理由を教えてください

「船井総研に入る前に別のコンサル会社に入りましたが、その時は250人くらいのコンサルタントのうち10番目くらいでした。そのとき、たまたま創業者の船井幸雄さんにお会いする機会があって、お誘いしていただいたことから入社することになりました。入社するときに『ここで1番のコンサルタントは誰ですか』と聞いたところ、当時専務でその後社長になる小山政彦さんが一番で、一人で粗利は1億円を超えると聞きました。そのため、その数字が当面の目標となりました。こうして早いうちに目標が決まったことが大きかったと思います。それから、『クライアントの成果があがる仕事をする』ということにこだわってやってきました。ナンバーワンになれた秘訣はそこだと思います。今では紹介がほとんどですが、ご依頼いただいてから3ヶ月から1年ほどお待ちいただくくらい行列のできるコンサルタントになることができました。とにかく『目標を決める』ということと『成果を上げる』ということを徹底してきたことがナンバーワンになれた秘訣だと思います」


−コンサルの仕事はどのくらいの会社に対してやってきたんですか?

「数えてはいないですが、数百社を担当してきました。僕が担当した会社は不思議と業績が良くなるので『マジック』とまで言われていました。そうやって評判を呼んだことで、次々とクライアントを紹介してもらえるようになりました」


−どういった業界が多いですか?

「もともと船井総研は業種ごとにコンサルを決める会社でした。その中でも小売業、流通業が得意な会社だったので、私が入社した頃はその業界は誰かが既にやっていました。そこで最初はたまたま塾業界をやることになりました。ただ、コンサルティングした内容はあまりいいものではなく、結果が出なかったことでクレームを受けました。その経験から『成果を挙げる』ことへの必要性を強く感じ、成果にこだわるようになりました。塾業界で得た教訓もありました。学習塾は当時、普通の学校にはいられない人が多くいたんです。だから、クレームを受ける可能性も高い業界だった。それでこういう業界はやめようと決めました。それからは縁があって住宅のリフォーム業界の仕事をしました。そこで提案するセミナーをやったところ大反響でお客さんがたくさんできた。実際に担当した会社の業績もみるみる良くなったことでコンサルタントとして結果を出すことができました」


−いまはどんな業界を担当していることが多いですか?

「IT業界が多いです。以前は建築業界が多かったですが、次第にITや広告の業界が増えてきました。船井総研のホールディングスで役員をやっている時はアライアンスやM&Aが多く、IT企業との付き合いが多かった。それで船井総研を辞めるときに何社からか社外取締役をやってくれと頼まれました。そういう形でもIT業界と関わっています」


−中国関連の仕事は何かしていますか?

「中国に関しては前職時代に船井総研上海という会社を立ち上げました。しかし最初の1、2年は苦戦しました。いろんな業種に対応するコンサルをしたいという話でしたが、動き出すと話が違ってきて難航しました。中国に関して言うと、最先端のテクノロジーを持っていることが大きい。世界の企業は中国から学ぼうとしていますが、日本企業はそういう動きが弱い。日本ももっと中国企業から学ぼうとすべきです」


−今まで辛かったことは

「失恋したことですかね(笑)。それは何回もありました。その度に勉強になりました。それから先ほど話した塾業界のコンサルでの大失敗とか。色々あります。ただ、決定的に辛かったということはなくて、同じような事象に遭遇してもものすごく辛いと思う人と、クヨクヨしても仕方がないと思う人がいて、僕は後者です。あまり辛いという思いに捉われないようにして生きてきました。ものすごく辛かったという経験はないです。辛いことがあったとしても、そこにあまり引っ張りすぎることは自分にとって何のプラスもない。良い結果が出なかったのは自分の責任で、力不足なわけです。だから、力をつけていかないと、というポジティブな思いに変えています。また、ネガティブにいる自分が好きじゃないというのもあります。例えば、信頼していた人が急に辞めるという時にはやっぱり悪いことしたなと思うし、辛かった。でも、起きてしまったことは変えられない。それをきちんと受け入れて、今後繰り返さないようにすることが大事だと思います」


−経営している中で一番大切にしていことは?

「今の会社は社員もいないので経営をしているという感覚はないです。ただ、前職時代を考えると関わった人をいかに幸せにできるかということを経営では重視しています。お客さんだけでなく、社員やプライベートで関わっている方も含めてみんなに幸せになってほしいという思いが強い。そういうことを自分も心がけているし、そういうスタンスを意識して経営をしています」


−本も15冊出していますが、どういうところを心がけて書いていますか?

「すごい文章が書けるわけではないので、読みやすい本を心がけています。自分も月20冊くらい読んでいたことがありました。しかし、スッと入ってくる本とそうではないのがあるので、頭に入ってくる本を作るようにしています。短時間で読んでいただいてヒントが得られるようなものになればと思っています。そのためにまず、一般常識とは違った視点で書いていました。例えば、私の書籍の中でも「売上2億円の会社を10億円にする方法」という本をよく上場企業の社長が参考にしてくれています。起業すると最初は一人で、それから数人になってとなる。最初に全部自分でやるが、それは社長の仕事ではない。自分が社員のように仕事をしてしまっている。その限界値が業種にもよるが2億円で、社員数で言うと数名から10人くらい。社長だけがずっと働いていて、トップセールスもやって、社員はあまり仕事していない状態です。それではそれ以上は伸びない。それ以上のステージに行きたい人は、社長は本来の社長の仕事をして、営業や現場管理は他の社員がする。すると、僕の経験則だと社員は社長の5分の1くらいしかできないので、25人集まれば10億円の会社になる。短期間で成果が上がるような仕組みを作ることが大事です」


−若者や女性の支援をしているが、ユーザーに向けてコメントをください

「若い世代の方に言いたいことは、『優秀な人が大企業に行って10年20年仕事するというのは無駄な時間を使っているのではないか』ということです。大きな会社に行くほど社員がやることはきちんと決まっていて、経営的な仕事はさせてもらえない。できるだけ早いうちに経営をして上場をしてさらに大きな夢を実現することに時間を使った方がいいと思います。女性という点では、先進国を比較すると上場企業の役員や経営者をやっている女性は先進国では圧倒的に低い。安倍政権の時に女性活躍というのがあったが、やっていることは非正規社員を社員にするという程度。女性リーダーが不足している。女性リーダーが増えないと経済が活性化しないでしょう。その点でメンターとしてサポートしようと思い、いま力を入れています。日本だけでなく中国でも若い経営者がバンバン出ているので、もっと若い人がチャレンジしていく環境が整っていくでしょう。そうなればもっと若い経営者、女性経営者が活躍できるでしょうから、一緒に仕事する機会もあればと思います」




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