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名人取材

  • 執筆者の写真七色錦華

日本一の歯科医院作りへ!

熊木淳雄さん(医療法人社団ALBA代表)

 神奈川県内を中心に12の歯科医院を経営する医療法人社団ALBA。理事長の熊木さんは20代で開業して以来、わずか10年で年間20万人が治療に訪れる歯科グループを作り上げた。熊木さんは「日本一の歯科医院を作る」として次々に店舗拡大を進めるとともに、ベトナムでの開業も進めている。何を考え、何を目指しているのか。熊木さんに話を聞いた。


−−なぜ歯科医を目指したんですか?

「小学5年生の時に医者が主人公のテレビドラマを見て、その白衣姿に憧れたのがきっかけです。高校3年生の時に医者になるか、歯医者になるかという選択があったのですが、そのとき先生に『医学部なら浪人するかもしれないが歯学部なら現役で受かる』と言われました。そこで、神奈川歯科大学のオープンキャンパスに出向いたところ、『噛む』ということが病気やスポーツのパフォーマンスに大きな影響がある、という話を聞いて、歯科医師を目指そうと思ったんです」


−−いまは歯科医院を広く展開していますね

「東京、神奈川で12店舗です。歯科医師になった時から『日本一の歯科医院を作りたい』と思っていました。どうせやるからには一番を目指したい。それに、規模が大きいことで患者さんに対して良い医療が提供できるし、スタッフにも良い労務環境や雇用環境を提供できると考えたんです。2026年12月31日までにクリニックを33院作るというのを目標にしています。そこから逆算して今も取り組んでいるところです」


−−人材採用が大変だと聞きます

「僕自身、開業するまで4年半の間に10軒の歯科医院で働いて、そこで医者や看護師などの不満を全部聞いてきました。それで、『ここは絶対に必要だ』というところと『絶対に真似してはいけない』という部分を把握しました。開業してからは、『ここで働きたい』、『ここで学びたい』という環境をどうやって整備するかだけを考えてやってきました。もちろん離職者はいますが、年々少なくはなってきています。ただ、一方で離職者が出るのは自然の摂理だとも思っています。皆それぞれの人生があるわけですから。独立することは悪いことではない。それよりも、うちに残るメリットの方が圧倒的にプラスだという環境にすることを経営としてデザインしています。うちにいれば経営を学ぶことができるし、開業のノウハウも学ぶことができる」


−−無借金経営を実践されているそうですね

「最初開業した時は8千万円借金しているので、3年半かけて返済して、そこから無借金です。僕が20代の時にソフトバンクの孫正義代表の話を聞いたことがあります。『人生50年計画』で、20代で起業、30代で軍資金を貯めて、40代で勝負、50代で事業を完成させて、60代で継承する、ということでした。開業してからのこれまでは『軍資金を貯める』ということに専念してきました。それはお金だけでなく信頼を貯めることも大事です。そこで、会社としての信頼を貯めるために、無借金経営をやるということを決めていました。それを可能にするためにやったことはシンプルに『お金を無駄遣いしない』ということに尽きる。患者さんにとって、社員にとって本当にプラスになるお金の使い方かで判断してきました。例えば僕がフェラーリを買ったとしても、患者さんは喜ばないし、スタッフも喜ばない。そうでなく、その資金を最新設備の導入やスタッフの福利厚生に使えば、それは喜ばれる。そういう一個一個の積み重ねをやった結果、無借金経営ができていると思います」


−−借入をすることによって事業にレバレッジをかけられるという考えもありますが

「それはそうですが、まずは無借金経営での信頼を勝ち取りたい。ただ、40代に入る来年からは一気に借金して勝負をします。今までのうちの成長率をさらに伸ばすには借入をして勝負に出ないといけません。今のところ20億円くらいの資金調達を考えています」


−−歯医者はコンビニより多いと聞きますが、過当競争では?

「確かに歯科医はものすごく多いですが、現実は二極化しています。どの業界も同じですが、流行っているところは今の時代のニーズに応えていて、そういうところは必ず伸びている。進化論はビジネスにおいても同じです。全体母数で言うとかなり厳しい戦いですが、当たり前のことを誠実に、日々重ねていけばそこまで大変な業界ではないと思っています」


−−ここの医院ではどういう特長があるのでしょうか

「うちの病院のコンセプトは年中無休の総合診療。365日やっています。年末年始は僕一人でやっています。総合診療というのは虫歯からインプラントまで全部ここでやっている。ただし、そういうところは他にもあります。では、最大の長所はどこかというと、やはり仲間です。うちはスタッフにも恵まれていて、そこは胸を張って言い切れます。そのスタッフとの絆は、必ず患者さんにもつながります。そこが僕たちの一番の付加価値だと考えています」


−−経営で大事にしていることや習慣は

「まずは体調管理に気を遣っています。大学時代はアメフトをやっていて、筋トレを頑張っていました。腕立ては一日2千回やってました。しかし、そこから社会人になり、20キロ痩せました。その上、お酒を飲む機会も多く、お腹も出てきた。そこで体調管理のために会食以外ではお酒を飲まないとか、腕立て伏せも毎日5百回やるということはしています。それから、日々学ぶということをやっています。自己投資で学びを得ることで成功し、人脈も形成するということを意識しています。それと、シンプルなことですが、日々感謝するということです。当たり前の一日が当たり前ではない。来ていただいている患者さんやスタッフの皆さん、家族には毎日必ず感謝をする時間を作っています」


−−人生で辛かったことは何ですが?

「4年半前に自分の娘が朝起きたら亡くなっていたことです。健康で、前日まで笑顔だった娘が朝起きたら亡くなっていた。1歳17日というものすごく短い命でした。死因としては髄膜炎と言って、風邪菌が脳にいって、炎症を起こして亡くなったということですが、何の予兆もなかった。すごく落ち込んで、神様をも恨みました」


−−それをどうやって乗り越えたんですか?

「そのときに思ったのは、ここで僕が落ち込んで下を向いても、彼女が生き返ることはないし、天国の彼女が笑顔になってくれることもない。だったら切り替えて、残された家族や信じてついてきてくているスタッフ、来てくれる患者さんのために頑張りたいと思ったんです。人は絶対に死ぬのだから、今日死ぬことになったとしても未練はあっても悔いは残らないような人生を送りたい。それでスイッチが入りました。今思うと、『日本一の歯科医になりたい』という意識はまだまだ弱かった。あの件があってから、『この業界を変えていきたい』、『医療格差をなくしていきたい』、『そのために自分が日本一の歯科医になる』という強く明確な意識が芽生えました。悲しみを乗り越える中で、スタッフの存在もすごく大きかった。泣いてくれるスタッフもいた。その時に僕自身も感動して、このスタッフを家族同様に守っていかないといけないと強く思いました。また、それまで仕事人間だったのですが、それ以来ちゃんと家事を手伝ったり、子供の勉強を教えたり、家族との向き合い方も変わりました」


−−インプラント治療が19万円程度と非常に安いのはどうしてですか?

「まず、インプラントはネジが高いんです。うちは年間1千人以上治療するので、ネジ自体を大量に購入することで費用を下げることができる。それから手術時間が短い。僕らはインプラントの件数が非常に多いので、経験値が違う。インプラントは事前診断と瞬時の判断がものをいうんです。切る量を少なくすれば縫う量も減ります。手術時間が長くなると出血量も多くなり、余計に長くなる。逆に手術時間が短くなると、歯科医師の拘束時間も短くなるし、患者さんのリスクも減らすことができる。あとは、広告をやらなくても患者さんからの紹介できてくれるというのも安くできる理由です」


−−海外展開についての構想は?

「大学5年の時にボランティアサークルを立ち上げてタイに行きました。僕が行ったチェンナイは子供たちが裸足で走っているような貧困地域でした。歯科の分野もかなり酷かった。世界でこれほどまでに医療格差が起きているということを目の当たりにした。そのときにいつか海外に進出したいと思いました。日本の技術を輸出したいということだけでなく、社会貢献もしたい。先日もベトナムに行き、孤児院で治療もしました。それから図書館も作りました。ベトナムをメインに5年間で40店舗展開している韓国の歯科医があって、実際に診てもらったんです。すると、治療してもらった限り、自分たちの方が上だと確信しました。まずはベトナムでノウハウを確立して、そこから他のアジアの国に広げていきたいと考えています」


−−それと同時に2026年までに国内で33院に増やすのですね

「はい、日本最大の医療法人にすることを目指しています。日本の歯科業界にもいろんな問題があって、残念ながら業界自体の魅力がなくなってきています。歯科医院は素晴らしい職業だし、なくてはならない存在だと思ってます。まずはうちが業界ナンバーワンになって、業界を引っ張り、歯科業界を目指す人材を増やしていきたい。そして、アジアに関しては医療格差をなくしていく。アジアの医療レベルをどんどん向上させていく仕事をしていきたい。それと、国内でやりたいことが予防医療の普及です。定期検診受診率はアメリカでは8割くらいですが、日本ではわずかに10%程度しかいない。患者さんにとって削った歯は戻らないので、予防が重要です。また、それによって日本の医療費削減、日本人の健康寿命を延ばしていくことができる。日本人として業界を引っ張っていくような活動をしていきたい。個人的なことで言うと、講演活動も増えてきていますが、診察は続けていきたい。これまでのように週6で診療をすることはできないでしょうが、ゼロにはせずに患者さんの治療はやっていきます」


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